2023-08-04から1日間の記事一覧

江戸の地形を歩く:「江戸切絵図貼交屏風」辻邦生

本作の主人公、浮世絵師の歌川貞芳は、常に描き続けようとする絵師である。「この世のすべてのものが、一つ一つ、かけがえない存在(もの)だということ」(本書文庫版、p202)を感じ、そこここに満ち溢れる「生命の勢」(p83)を写しとりたいからである。作…